2003年10月21日火曜日

2003/10/21 吉田恭子先生 参考文献

10/21 吉田恭子(文学部: アメリカ文学、創作、比較文学)
「情の技法のもつれ——アメリカの創作科と文学批評」

□青山南(2000). 『アメリカ短編小説興亡史』筑摩書房

現代アメリカ短編小説の動向、出版事情を紹介。創作科の小説ワークショップは殆ど短編を対象にしているので、アイオワワークショップや創作科関係の情報も豊富。

□John Barth 著、志村正雄 訳(1989).『金曜日の本』筑摩書房

今では名誉教授になってしまったが、ジョンズ・ホプキンズ大学の創作科を創設した作家のエッセイ集。創作科卒業生の厳しい現状がわかる。創作教授の文学論の見本としても。続編 Further Fridaysもお勧め。

□Stephen King 著、池 央耿 訳(2001).『小説作法』アーティストハウス

人はなぜ小説を書くのか。そして辛辣な創作科批判。

□三浦 清宏 (1988).『文学修行—アメリカと私.』福武書店
氏は、1950年代アメリカ放浪中、詩人Paul Engle率いるアイオワ創作科に在籍していたことがある。エングルの教育者としての功績は大きく、A Community of Writers: Paul Engle and the Iowa Writers' Workshopという本に、三浦氏も回想録を寄稿している。

□John Gardner (1983). On Becoming a Novelist. Norton

英米文学が好きで、小説家志望で、厳しいけど頼れる兄貴のような師を探し求めているあなたに…と冗談はさておき、なにかをなしとげたい、という希望と不安を抱える若者はぜひ読むべき感動の文章/人生読本。 ガードナーに教わったことのあるレイモンド・カーヴァーが前書きを書いている。

□Wallace Stegner (2002). On Teaching and Writing Fiction. Penguin.

題名通りの内容。関連のエッセーや講演、インタビューを死後にまとめたもので、非常に読みやすい。 ハーバードから創成期のアイオワを経て、スタンフォードに創作科を設立したステグナーは、歴史の証人だった。彼の意見は創作科教授の代表的なものといえる。

情の技法 2003 Keio University